2001.5.29.


at 上野 G・H・NINE

 細長い雑居ビルの9階にエレベーターで上がるとそこがG・H・NINEだ。2面がガラス張りの開放感のある素敵なお店。待ち合わせた友人はすでに来ていて、ライブ前のひと時、他愛のない会話で時間を潰す。サングラスのちょっと目を引く男性が店に入ってきた。吉岡さんだ。吉岡さんのオーラは凄い。入ってきたとたんに店の空気が変わる。

 しばらくして、お待ちかねの演奏が始まった。今日のメンバーはベース、沼上励さん。吉岡さんとは長年のお付き合いらしい。そしてドラムは若手の井川晃さん。なかなか均整のとれた素敵な顔立ちの人だ。軽快なテンポで1曲目「But not for me」が始まる。心地よくほぐされたあと2曲目。曲名はよく解らないけど、のっけからノリノリだ。えーっ、こんなに最初から飛ばして大丈夫なの?と思うくらい、すでにもう熱い、熱い。ライブハウスでトリオの演奏を聞くのは久しぶりだけれど、やっぱりいい!初めから終わりまで、吉岡さんの熱いプレイを堪能できる。何を隠そう、私は吉岡さんの「顔」のファンでもある。ときに精悍な横顔、サービス満点の笑顔、いたずらっぽく動く眉。え〜い、まだるっこしい、一言で言ってしまえ、吉岡さん、かっこいいー!!こんなに見て楽しい、聴いて嬉しいピアニストが他にいるだろうか。

 ミュージシャン同士のアイコンタクトがまた楽しい。ドラムとのスリリングな4バース、そしてエンディングはいつも何が飛び出すか、どこまで続くかわからない。そのたびにミュージシャン達からもう楽しくてしょうがないと言うような笑顔がこぼれる。

 汗だくの1ステージが終わり、ドラムの井川さんがしきりに「吉岡さん、すごい、すごい」といっているのが聞えた。

 2ステージ目はムーディーな曲が続き、うっとり・・・。かと思うと「ジャイアントステップス」でまた熱くなる。吉岡さんのよく転がるフレーズ、迫力あるタッチ、いいなあ〜。上手く言葉では言えないんだけれど、なんだか向こうから手を伸ばしてきて心臓をわしづかみにされ、振り回されるような感覚におちいる。2ステージ目が終わった時には時間は10時を回っていたが、あんまりよかったので家でくつろいでいた出不精の彼を携帯で呼び出してしまった。

 3ステージ目はコンガの中里さんが入ってラテンのリズムだ。初めはボサノヴァ調に軽いリズムを刻んでいても、アドリブに入るとまた吉岡イリュージョンがはじまり、店中を激しく、熱いブラジルの風が吹き荒れる。とめどもない熱狂の後、急に波は静まりまたあのけだるいビートに戻っていく。この緩急が、う〜ん、たまらん。ちょうど熱風が吹き荒れるさなか、彼も到着、すぐに風に巻き込まれた。

 はじめて彼を吉岡さんのライブに連れて行った時、彼は一言、「ずるい」と言った。これだけ凄いピアノが弾けて、なおかつかっこいいから、だそうだ。なるほど、吉岡さんは男性から見れば嫉妬と羨望の的になるのかもしれない。にもかかわらず男性の支持者が多いのはひとえにJAZZ通をもうならせる実力のなせる業なのだろう。

 それにしても、このエネルギッシュな演奏を、よく1日に3ステージもこなせるものだと思う。しかも毎日だ。私は音楽が吉岡さんにエネルギーを与えているような気がする。血液のように音楽が体に流れ、エネルギーを補給しているみたいだ。それだけ、音楽を愛しているのだろう。

 ライブの興奮で、家に帰ってからもぼーっとしてしまった。

 さらにそれは翌日まで続いた。

 まったくもう、ずるい。反則だ。こんなに凄くていいのだろうか。

 私の吉岡さん中毒は更に深刻な様相を呈するのであった。

 次は来週、御茶ノ水NARUに行っちゃお〜っと!




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