2001.6.16.


at 北千住 Birdland

”ファインダの中のご機嫌な男(Jazz Men)達”


 期待していた6月7日、吉岡さんは都合でお休み。前回行ったライブから2週間が経ち、そろそろ禁断症状が出る頃だ。

 今回はG・H・NINEでゲスト出演していたパーカッションの中里たかしさんとのセッションで、場所は北千住Birdland。ごちゃごちゃした小さな呑み屋やフーゾク店が並ぶ狭い通りに身の危険を感じつつ潜入し、言われないとわからないくらい細い横道を入ると、なんとも小綺麗でおしゃれな店が存在していたのだ。お客はもちろんのことミュージシャンでさえ迷うという、知る人ぞ知る名(迷?)店なのである。

 店はオープンカフェになっていて、ガラスの仕切りからは中の様子がよく見える。周りに飾られた寄せ植えがとても綺麗だ。中は20人ちょっとでいっぱいになるくらいの広さだが、新しくて気持ちがいい。こういう小さなスペースで、少人数の客でミュージシャンを独占できるというのはなんとも贅沢な気分だ。店内の棚にはアナログレコードがぎっしり。しかもここのマスターは、その数千枚はあろうかというコレクションの中から自分のお目当てのレコードを一瞬にして探し出す。さながら人間データベースである。

 さあーて、と私は気合が入った。今日はいつもと違うのだ。なんてったって私の手には新品のデジカメが握られている。吉岡さんのあの、最高にかっこいい横顔を今日こそゲットだ!メンバーはパーカッションの中里たかしさん、ドラムが藤井伸昭さん、そしてベースはおなじみ沼上励さん。

 さて、演奏が始まった。最近のお気に入りなのだろうか、「But not for me」。この悲しいはずのバラードを吉岡さんは実に軽快に楽しく弾く。この曲はオープニングやステージの終わりによく使われる。今日はトリオとちょっと違って、中里さんの小気味のいいコンガの音や、トライアングルや鈴のチン・・・という澄んだ音色が要所要所で彩りを添えてくれる。トリオの演奏はもちろん素敵だけれど、いろんな楽器が入る事でまた違った楽しさが味わえる。Jazzは本当に懐が深い。2曲目「ケリー・ブルー」ではぞくぞくするようなブルージーな・。サウンドを聞かせ、またバラード「アゲイン」は極上のバラ-ドを聞かせてくれる。

 ファインダーを覗いて、私は再び息を呑んだ・・・・

 生で見る姿はもちろん素敵だけれど、ファインダー越しに切り取られた映像の、なんと美しい事。ぐっとズームを寄せるとミュージシャン達の音楽に魅入られ、音楽と一体となった表情が見える。額に汗が光る。空気が熱く震えている。

 私はやみくもにシャッターを切った。この表情も、あの動きも、みんなみんな残したい。そしてそして、夜中にこっそり、パソコン画面に大写しにして思いっきりニヤけるのだ〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・という私の不埒な目論見は、脆くもついえた。・・・・・・・・・・・・・・・・

 撮った映像はことごとくブレていた。ライブ会場ではやはりフラッシュを焚くのははばかられる。ノーフラッシュでこれだけ動きの速い被写体を狙うと当然シャッタースピードが遅いためにブレるのだ。どなたか、上手な撮影の方法をご教授願えないだろうか。因みに、この条件下で一瞬のいい表情をゲットしているジャズライブ徒然草J・C・Mさんの作品は尊敬に値する。あ〜それとも、ビックカメラ店員の狡猾な口車に乗せられて買ってしまった39,800円のデジカメでは役不足ということか。ぐやじい〜!



 結論から言うと、やはり、ライブしかないということです、みなさん。ライブにいかなければあの表情は拝めません。いきましょう。ライブに。インターバルの時間にはマスターが吉岡さんのアルバム「Moment to Moment」をかけてくれた。買った当時は1日中聞いていたアルバムだが、聴くのは久しぶりだ。ライブのときとは一味違う、緻密な演奏にまた感動してしまった。無限に続くかと思われる細かいトレモロには、恍惚とさせられる。今度アナログ版で出るそうだから、ぜひとも手に入れなければ。もちろん、サインもしてもらお☆

 1ステージ目には数人だった客も、2ステージ目がはじまる頃には店いっぱいになった。また客席全体を巻き込む吉岡マジックが始まる。懲りずにシャッターを切ったがやはりうまくいかない。呻吟しているうちにエンディングがやってきてしまった。「But not for me」が始まると本当に淋しい気分になる。そしてそして、吉岡さん得意の反則ワザ、2段落ちだ!終わると見せかけて、エンディングからまたハイテンポでテーマが始まってしまう。え?まだやってくれるの?もっと続けてえ〜〜と盛り上がったところで、突然終わってしまう。客はハイテンションのまま置き去りだ。そして、その興奮を家まで持って帰ることになる。下手をすると数日間続いたりする。やってくれます。吉岡さん。

 せっかくだから、メンバー全員でお店の前に並んでもらい、写真を撮らせてもらった。今度はフラッシュが焚けるからばっちりだ。撮った写真を確認して、また嬉しくなった。みんな、ほんとにいい顔だ。満足な演奏を終えた後のミュージシャン達って、何でこんなに素敵な顔をしているんだろう。ライブの楽しみがまた一つ増えた。



 次の予定は7月6日の保谷こもれびホール。ジミー・スミスさん(Dr)との共演は見逃せない。みなさん、行きましょうね〜こもれびホール。  See you soon!




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