2001.8.31


at 恵比寿 サンマリノ

”HIDEAKI vs DIVA”


 この日のレポート、実は書く気は無かった。この間書いたばっかりだし・・・・今回はパス。・・・・って思っていたけれど、あまり良かったので思わず文章にして残したくなった。この感動が消えない内に。

 サンマリノは初めて行く店だ。場所は恵比寿。代官山からも近い、お洒落な町並みの一角にある。ストリングスよりも更に狭い感じで、グランドピアノに添うテーブルとカウンター席のみ。20人前後で一杯の広さだ。ちょっとお洒落していきたい感じの高級感のある造りである。まさかここで、あの、今JAZZ界を最も騒がせている歌姫に会えるとは思わなかった。入り口の案内板を見て驚いた。「本日の出演者 akiko」。今、CDショップのJAZZコーナーにはこの人のデビューアルバムが山積みだ。JAZZ界では異例の4万枚を売り上げたという。視聴したが、そのテクニックや情感の豊かさに舌を巻いた。しかもモデル並の美しさだ。そのときはなぜか逡巡するものがあって買わなかったが、そうか、この日のためだったのか。ご本人登場とともに、店にCDが並べられた。ミーハー気質がむくむくと顔をもたげ、しっかりその場で購入し、サインをもらった。

 トリオだと思って行ったらヴォーカルが入っていた、ということはたまにある。そんな時、ちょっとガッカリしたりする。どうしてもヴォーカルがフューチャーされてピアノがたっぷり聴けないからだ。しかし、この日は嬉しい誤算だった。吉岡さんは、ご自身のプレイも素晴らしいが、人を引き立たせるのがとても上手い。インストの曲も何曲か入ったが、ピアノがソロをとっている時よりも、ベースやドラムのソロの時に吉岡さんを見ているととても楽しい。どこで仕掛けてやろうか、とスキを伺っては、絶妙な合いの手が入る。そして、そこからテーマに戻る時の快感!歌が入ってもそれは変わらなかった。akikoさんの歌は、楽器的と言ってもいい。完璧なリズム感と音程で、自在なアドリブを歌いこなす。あるときはテンポ良く聴く者の体を震わせ、あるときはしっとりと歌い上げ、そして、吉岡さんの働きかけに見事に応えていく。歌と歌伴というありかたではない。ピアノと歌がここでは完全に同格で、お互いがお互いを引き立てあっているのだ。1+1が10にも20にもなる。オスカー・ピーターソンがエラやサラと共演したアルバムを聞いたことがあるが、それと同じ感動がここにはあった。吉岡さんと対等に張り合え、吉岡さん自身を楽しませるヴォーカル、それだけで、akikoさんの力量の確かさがわかる。

 最後に、akikoさんは吉岡さんをこう紹介した「吉岡秀晃さん。私の一番好きなピアニストです!」世界へはばたくDIVAをして、かく言わしめる吉岡さんは、やっぱりすごい。 それにしても、吉岡さんとプレイできるミュージシャン達がうらやましい。私もあの渦の中にいられたら・・・聴いているだけではなくて、自分もその渦を作る側にいられたらどんなに幸せだろうと思う。胸いっぱいの感動と少しの淋しさを抱いて、終電ぎりぎりの駅へ急いだ。夏の終りにふさわしい、素敵なライブだった。

 あ、ここで終わってしまっていい?
 前回予告した握手のひみつは、また次の機会に・・・・あはあはあは・・・・
 



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